2016年5月28日 (土)

20160528 鍼灸は魔法や奇跡ではない

鍼灸治療に関するネット情報や書籍を見ていると、
第三者からすると、まるでと東洋医学の神秘や
奇跡のように取り上げられるていることがあります。

車いす生活を宣告された人が歩けるようになった、とか
手術を宣告されていた人が手術せずに治った、など。
ガンが治ったというのはあまりにも胡散臭いのですけど・・・。

上記のような紹介記事を見ていると、
確かに鍼灸を知らない人からすれば、魔法や奇跡のように
思ってしまうのも不思議ではありません。

しかし、手品にもタネがあるように、鍼灸は奇跡や魔法
ではなく、鍼灸にそういう効果があるのには、
医学的な理由があるからです。

そこで、当院にいらした患者さんの症例を
個人が特定できない範囲で紹介したいと思います。
書籍では、東洋の神秘や奇跡のように紹介されている
症例に近いものです。



1)数年前から歩行困難。

腰部脊柱管狭窄症と診断され手術をするが
まったく症状が改善されない。

しかし、一回の鍼治療で、その場で杖を使わずに
歩けるようになり、2回の鍼治療で一人で散歩
できるまでに回復。


2)20年以上前から股関節に痛み。

再度痛みが出たときは手術を勧められる。

しかし、一回の鍼治療でその場で痛みがなくなり、
そのまま終了。


3)10年以上前から顔面の痛み。

ブロック注射で痛みが軽減するがすぐに再発。

しかし、2回の鍼治療で痛みが消失。



4)肩の強い痛み。

画像診断では原因不明。理学療法士の
触診でも原因がわからず、精神的なものと診断される。

しかし、一回の鍼治療でその場で痛みが軽減。
3回の鍼治療で痛みが消失。




5)手術困難と診断された腰痛。

すでに数回の腰椎ヘルニアの手術をしており、
体力的にも手術は困難。痛みのため歩行も
ままならず、下肢に廃用症候群が出始め、
日常生活に介助が必要になっている。

しかし、2回の鍼治療で痛みが軽減。
通常の歩行ができるまでに回復。




6)立上れないほどの下肢の痛み。

画像診断では原因不明。おそらく坐骨神経痛だろう
との診断だが、日常動作に介助が必要となり始める。

しかし、一回の鍼治療でその場で立上れるようになり、
2回の鍼治療で、一人で通常の生活が送れるまでに回復。






さて、前述のようにこれらの症例は、
いわゆる東洋医学の奇跡のように紹介されても
おかしくない症例だと思います。


しかし、これらは奇跡でも魔法でもなんでもなく、
すべて医学的な共通する原因と、回復した理由が
あります。


その原因とは、「筋肉の攣縮」、つまりその動作をする
筋肉の一部が痙攣をおこしてしまい、正常な動作が
できなくなったことです。


そして症状が軽減した理由は、鍼治療、
具体的には局所単収縮鍼療法によって、
原因となっている筋肉が正常に動作できるように
なったからなのです。



それでは、種明かしです。

上記の症例について、ひとつずつ鍼治療方法を
ご紹介します。


1)数年前から歩行困難。

⇒ 腰痛を伴っていること、すり足歩行の動作から
推測して、大腰筋に攣縮があると判断。
大腰筋刺鍼をしたところ、左下肢へ放散する刺激。
この刺激が局所単収縮によるものと推察される。
置鍼後、腿上げができること、立上がり動作も
問題ないことを確認し歩行にトライ。
歩行にも問題なくなったことをその場で確認。



2)20年前から股関節の痛み。

⇒ 画像診断では股関節に異常がないと診断されて
いることから、股関節周辺の筋肉に攣縮があると推測。
下前腸骨棘周辺から外側広筋にかけて触診し
索状硬結へ刺鍼により局所単収縮鍼療法を実施。
痛みのあった動作をしても痛みが出ないことを確認。


3)10年以上前から顔面の痛み。

⇒ 前歯ぐきに痛みがあるため、顔をしかめていると
痛みが出ることから、上唇挙筋や口角挙筋に攣縮が
あると推測。
硬結への刺鍼により、局所単収縮鍼療法を実施。
顔面を動かしても痛みが消失したことを確認。



4)肩の強い痛み。

⇒ 僧帽筋の辺縁に沿って細い索状硬結を認める。
ここの攣縮が痛みの原因と推測。
3回の局所単収縮鍼療法により痛みが消失し、
普通の生活が送れるようになる。



5)手術困難と診断された腰痛。

⇒ 腰椎L4、L5周辺に索状硬結を認める。
ここの攣縮が痛みの原因と推測。
2度の局所単収縮鍼療法により痛みが消失し。
一人での歩行が可能となった。




6)立上れないほどの下肢の痛み。

⇒ 重量物を持ち上げた際に、思いっきり踏ん張って
から症状が出たことから、大腿前面の筋肉に原因が
あると推測。
触診では特に大腿外側の筋に索状硬結を認められ、
ここに2度の局所単収縮鍼療法を実施。
椅子からの立ち上がり動作を、痛みなくできるように
なったことを確認。




鍼灸治療、特に鍼治療は、筋肉が原因となっている
動作不良や痛みには、驚くほどの効果があります。


上記症例以外にも、中学生、高校生のスポーツ障害で、
「しばらくは安静に」と診断された症状が
鍼治療2日後には試合に出て走れたこともあります。



股関節の痛みに対して、骨盤がずれていることが
原因と言われて、骨盤矯正の施術を受けたが
まったく痛みが軽減しなかったのに、
恥骨筋の攣縮への局所単収縮鍼療法で、
その場で痛みが軽減した例もあります。



鍼治療はなかなかハードルが高いと思います。
しかし、「原因がよくわからない」痛みがあるときは、
一度受けてみることをお勧めします。



ちなみに私、所謂ゴッドハンドと呼ばれるような
秀でた技術は到底持っていません。
わずか臨床経験5年目の、エンジニアあがりの
駆け出し鍼灸師です。

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2016年5月25日 (水)

20160525 局所単収縮鍼療法

高校生のとき、医大の偉い先生の講演を聞いたことが
あります。

詳しい内容は忘れてしまいましたが、印象に残った言葉を
一つ覚えています。

「予め知識のあるものにしか、それに気づくことができない。」
とか、そういう内容のことでした。

どんなに重要な現象でも、それに対する予備的知識が
なければ見逃してしまう、ということです。



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当院の鍼治療方法は、二つの技術を組み合わせて
行っています。

一つは、浅野周先生が確立された北京堂鍼灸。
もう一つの技術が「トリガーポイント鍼治療」です。

最近、トリガーポイント治療が流行りのようになっていて、
遠隔治療や痛みの中心を指圧するような手技も紹介されています。

しかし、当院で行っているのは、局所単収縮を使った
トリガーポイント鍼治療。

これは、痛みの原因となっている筋の中心に的確に
鍼を刺して局所単収縮を起こして痛みを取り除く方法です。

ですから、いまの状況では、トリガーポイント鍼治療というよりも
「局所単収縮鍼療法」と呼んだほうが正確かもしれません。




この局所単収縮鍼療法。
実は、専門学校の授業で習ったり、
誰かに習って始めた鍼治療方法ではありません。

局所単収縮という言葉や現象があることは知っていたのですが、
それがどのように影響するのかは、
私自身は把握していませんでした。

ところがあるとき、患者さんの肩こりの鍼治療をしていて、
筋肉がビクッと動くのを見つけました。
このときは、「これが局所単収縮かぁ。」
程度にしか思っていませんでした。

しかし、私自身が腰が痛くなって
自分で腰に鍼を刺したとき、偶然、腰の筋がビクッと
動いて痛みがなくなったことを体験しました。

このとき、「これは使える!」と気が付きました。

その後も、歩き過ぎて痛くなった股関節やふくらはぎ、
親指を使い過ぎて痛くなった拇指球筋など、
自分の身体でいろいろと試してその効果を確認しました。

また、どうしてこういう効果があるのかを、
書籍等を調べて確認しました。




それから、様々な症状を訴える患者さんに対して
この局所単収縮鍼療法を試してみたところ、
驚くほどの効果があることがわかりました。

顔面の痛み、五十肩、痛みを伴う肩こり、
慢性腰痛、ぎっくり腰、背部痛、テニス肘、ゴルフ肘、
股関節の痛み、殿部痛、ふくらはぎの痛み、等々。
ほぼ全身の骨格筋の痛みに適用できることが
わかったのです。

しかも、その場で、一度で劇的な効果があるため、
施術を受けた患者さんが驚くほどです。




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「局所単収縮」という言葉や現象を知らなかったら、
ここまでの施術効果はなかなか辿り着けなかったかも
しれません。

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2015年9月 4日 (金)

20150904 口コミサイト

お店にとって、口コミ・サイトへの
お客さんの投稿は、よい宣伝になります。
しかし、使い方を誤ると、まったく逆の効果、
つまり評判を落としてしまうことになっていまします。


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以前、エンジニアをしていた時のこと。
とある企業の方から聞いた話が面白かったので、
いまでもよく覚えています。

その会社が開発したある製品。
とっても性能はよかったのですけど、
まったく売れません。

ところがある日、その製品について某サイトに
質問投稿がありました。

質問者:「○○をしたいのですが、
どこの製品がよいでしょうか?」

回答者:「それなら、××社の製品が、
△△もできて…(性能紹介)、とってもよいと思います。」

一見、普通の書き込みのように見えるのですけど、
性能について詳しく書き過ぎで、な~んとなく怪しい。

そう感じた一読者に、質問者と回答者のIPアドレスを
調べられてしまいました。
するとなんと、質問者と回答者のIPアドレスが
一致したのです。

自作自演がバレて、しかもそのことを同じサイトに
書きこまれてしまいました。

それだけが原因ではないのでしょうけど、
その製品は思うように売れず、
更には、その会社は信用をなくしてしまうことに
なりました。

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現在私がいる鍼灸マッサージ業界。
この業界でも、口コミ・サイトを利用する院が多く、
もちろん当院も利用しています。

いろんなお店を見ていると、
口コミ・サイトの使い方を間違えて、
逆効果になっているんじゃないかと思うところを
時々見かけます。

・登録したとたんに、たくさんの口コミ。
しかもそれが全て同じような日付。

・登録した直後はたくさんの口コミがあったのに、
しばらくしたらまったく投稿がない。

・口コミサイトはたくさんあるのに、
特定のサイトにだけたくさんの口コミ投稿がある。

・いいことばかりの口コミ投稿で、批判的な内容が一切ない。

本人達は、「これでお客さんがたくさん来るぞ~。」
と思っているのかもしれません。

しかし、こういう口コミ投稿は、
読者は少しは参考にするのかもしれませんけど、
何かおかしいと感づいて、「やらせ口コミ」と気付いて
しまいます。

そして、そういう「やらせ口コミ」をするところには
な~んとなく不信感を持ってしまうのではないでしょうか。
更には、
「ここはお客さんが来ていなくて、焦っているのかな?」
と思われてしまいます。


口コミ・サイトは、ネット集客には有効なツールです。
しかし、「正直な使い方」をしないと、
逆にお客さんの信用をなくしてしまうことになると
思うのです。

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2015年5月25日 (月)

20150525 堀口切子

先日、朝の情報番組で
「堀口切子(ほりぐちきりこ)」さんが
紹介されていました。


江戸文化の硝子細工である切子を現代風な
作風に仕上げて、各方面から注目されている
会社です。

この堀口切子の社長さんはまだ40歳前ですけど、
とっても立派な方です。

お爺さんが創業した「株式会社堀口硝子」に
入社して、安定した三代目だったのですけど、
独立して「堀口切子」を創業し現在の地位を
築いています。

お祖父さんや父親の力を借りずに、
自分の努力で世の中に認められるようになるには、
相当の努力が必要であったと思います。
その努力に頭が下がります。

さて、その対極にあるのが、「ナッツ姫」。
ここで説明するまでもなく、大韓航空機の
社長の娘で、離陸態勢に入った飛行機を戻して
しまったバカなお嬢様です。

隣国の方々のナッツ姫へのバッシングは
かなりスゴイものがありましたけど、
日本人でもこういうナッツ姫のような行為、
「親の権力の元でやりたい放題するバカ子達」の
行動は気分の良いものではありません。

ここまで酷いことではなくても、
よく見かけるのが、老舗のホームページやブログや
SNS。

若旦那と思われる方が、たいして修行もせずに
いろいろと言いたいことを書いているのを
見かけます。

日常のたわいもないことを書いているのなら
問題ないのですけど、同業者や業界を
批判するのはさすがにいただけません。

本人達はカッコイイと思っているのでしょうけど、
偉そうなことを発信するなら堀口切子さんと
同じく、まずは自分で独立してからでないと。

何か言いたいことがあるなら、独立してから
やるべきです。
…どうせそんな勇気はないのでしょうけど。

親は偉いのですけど、本人達はたいしたことは
ないのですから、例え情報発信であっても、
やはり親が創業した商売のことで、
二代目がしゃしゃりでてきてあーだこーだ言うのは、
読んでいて感じのいいものではありません。

しかも、それを読んだ人(お客さん)は
そんなことを知らずに、その二代目の発言を通して、
そのお店を判断してしまします。

「なんか感じの悪い店だなぁ。」と。

二代目が威張り散らしているということは、
創業者である親の顔に泥を塗りまくって
いるのと同じことです。

親の傘下にいて、会議やネットで偉そうな
発言をするのは、みっともないということを
本人達は知るべきです。

仲間から賛同されていい気になっていても、
そういう仲間は親の偉業に付いてきているだけで、
二代目の意見に賛同しているわけではないのです。

それに気が付かずいると、親がいなくなって
そのお店を継いだときになって初めて、
親の力でそのお店が成り立っていたこと、
そして自分の能力のなさに気が付くのです。

でも、時すで遅く、評判を落とした
こういうお店は簡単に潰れてしまうものです。
そういうお店や会社をたくさん見てきました。

二代目は控えめなくらいが丁度いいと
私は思うのです。

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2015年5月12日 (火)

20150512 ドライビールと美味しんぼ

アサヒビールのスーパードライという
ピールがあります。
いまでも大変な売れ行きで、あのピールを
マズいと言う人はあまりいないでしょう。

しかし、あのビールが発売された当時、
エセグルメ漫画の「美味しんぼ」が執拗にネガティブ
キャンペーンをしたことがあります。

鉄のさじを舐めたみたいな味だ、とか
これは本物のビールじゃない、とか。

でもこういう意見が、ただの言いがかりで、
消費者の意見がまったく違っていたことは
その後の市場を見れば明らかです。

ドライビールは、日本で改良された新しいビール。
美味しんぼの作者は、偉そうに評論家ぶって
何を基準に「本物じゃない」と
ドライビールを攻撃したのでしょう?

未だに私は、この「美味しんぼ」の作者が
何をしたかったのか理解できません。

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鍼灸の業界では、新しい市場を開拓すべく
美容市場、特に「美顔鍼」という方法が
提案されました。

私のお店でもやってて、効果を感じられた多くの方が
リピートされています。

しかし、どこの業界でも同じです。
この美顔鍼を全面的に否定する人たちがいます。

誰かが何か新しいことをやろうとすると、
自分では何もできないくせに、偉そうに
必ずケチをつけたがるエセ評論家の方々。

顔だけに鍼をするのはホンモノじゃない、とか
鍼は全身治療だから全身治療をする鍼灸院に
行かないとだめだ、などと
お客さんには理解不能な理屈で攻撃してきます。

こういう人達は、自分の考えだけが正しいと
信じ込んで、鍼灸の新しい市場を開拓しようと
頑張っている多くの人達の足を引っ張っているに
過ぎません。

おそらく、自分の技術にまったく自信がなくて、
それで他人のやっていることを攻撃して、
自分が優位だと信じ込みたいだけなのでしょう。

世の中(市場)の動きが見えない、
他人のやることに何でもケチをつけたがる、
そういう人達は、何を言っても無駄です。
勝手に言わせておけばいいんです。

お客さんは美顔鍼の効果を感じているからこそ、
リピートして何度も施術を受けているのです。

ドライビールと同じく、
すでに市場がその答えを出してくれています。

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2015年4月20日 (月)

20150420 どこにあるのかわからないところには行けない

以前神奈川県に住んでいたとき、
トレッキング用品を購入するために、
横浜の某登山用品店に行きました。

当時はまだスマホなんてない時代で、
携帯電話のサイト検索機能から地図を見つけて、
それを頼りにそのお店を探しました。

ところが、どこにあるんだかまったくわからない。

おそらく近くにいるんでしょうけど、
その店舗がはいっている建物の外観が
わからないので、しばらくうろうろしていました。

いっしょに行っていたカミさんは疲れてしまい、
だんだん諦めムードになってきたころ、
ようやく見つけることができました。

現在、スマホを持って街をうろうろしている人を
よく見かけますが、おそらくどこかのお店を
探しているのでしょう。

当時に比べれば
格段に地図機能が向上しているはずなのに、
それでも「このお店はどこですか?」と
聞いてくる人が結構います。

つまりは、サイトに載っている地図って
土地勘のある人にはわかりやすいのですけど、
初めてその土地を訪問した人にとっては
とてもわかりにくいということだと
思うのです。

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集客・集患を目的に、ホームページを使っている
ところが多くあります。

そういうところのホームページを見ると、
そのお店や院がどこにあるのか、
すぐにわかるところと
いったいどこにあるのかさっぱりわからない
ところがあります。

ひどいところになると、
市内にあるのかと思って見ていたら、
すごく遠い県北にある院だったり、
県外のお店だったり。

ホームページ作成業者さんや、
経営コンサルタントにお願いして作ったのであろう、
そういったとても綺麗なホームページなのに、
「どこにあるのかわからない。」
というところが多いのが、とても不思議です。

おそらく「地図を載せているから大丈夫」と思って
いるのでしょう。
でも、前述の私の経験から、地図ではそのお店が
どこにあるのか、よくわからないのです。

私の鍼灸院は、
道路からちょっと奥まっているので、
前の通りを歩いている人でも気が付かないことが
あるような立地です。

しかし、初めてでも、多くの方が迷わずに
来院されます。
県外ナンバーのクルマで来院される方でも、
迷うことなく来られます。

その理由は、地図を使わずに
「場所がわかる工夫」をしているからです。

ホームページは広告として強力なツールです。
しかし、どんなに素晴らしい情報を載せても、
結局そのお店がどこにあるのかわからなければ、
意味がありません。

地図を載せていても、お客さんが自ら何かの
マップ機能を使って、調べないといけないのであれば、
その時点で「行ってみようかな」という気持ちは
薄れてしまいます。

お客さん・患者さんは、
どこにあるのかわからないところには「行かない」のです。

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2015年4月18日 (土)

20150418 能力を知らない人には頼まない

サラリーマンをしていたときのこと。

製品の開発に着手する際に、その人の経験や技術を
考慮して、担当する仕事内容が割り振られます。

開発を統括するリーダーとしては、
それぞれのメンバーの能力や経験を把握し、
「この人だったら達成できる」と考えて仕事を任せます。

担当者としては、
もしその仕事がとても大きすぎるときは、
「荷が重すぎる」とか、「もう少し人数を増やして」と、
自分の能力や限界を知った上で、リーダーと交渉する
ことになります。

つまり、お互いが仕事の遂行能力を理解した上で
その仕事を担当するか(できるか)が決まるのです。

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脱サラして6年、鍼灸師の免許をとって3年になりますが、
およそ自分の能力や限界を知って患者さんを
受け入れるようにしています。

「××の症状なのですが、そちらで対応できますか?」と
電話での問い合わせがあったときは、おおよその原因を
推定して、どのような施術をするか説明しています。

しかし困るのは、「治りますか?」というもの。
実際に触ったり話しを聞いてみないことには
わからないので、「診てみないとわかりません」と正直に
答えています。

そうすると人によっては、
そのまま電話を切られることも。
まぁ、そういう人は、ご縁がなかったと、
相手にしないように
しています。

いろいろな鍼灸院や施術所のホームページを見ていると、
「どこに行っても治らないなら当院へ。」とか
「どこに行っても治らないなら当院へというので
行ったけどやっぱり治らなかったら当院へ。」と、
訳のわからないことを書いているところを見かけます。

まぁ、こういう鍼灸院や施術院は、それなりの
自信があるのでしょうからいいんですけど…。
しかし、どうして問診も触診もせずに「絶対治せる」
という自信があるのでしょう?

しかも、うちのホームページで書いているような
「その症状がどうして起こっているのか。」や、
「どうしてうちのやり方だと症状が軽減するのか。」
の説明が全く書いていないのです。

おそらくそのホームページを書いている本人達は、
「うちは××流鍼灸だから治るんだ。」とか
「うちは有名雑誌にも載っている施術方法だから
いいんだ。」と思っているのでしょう。

でも、「だからどうして治るの?」の疑問に対して、
明確な説明が何故か書かれていないのです。
もしかすると、根拠のない自信だけあって、
言葉で説明することができないのかもしれません。

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自分の技術に自信を持つことは大いに結構なことだと
思います。

でも、そのときは同時に「限界」も知っていないと
いけません。
「できもしない」のに「できる」と言うことは、
まるで人を騙してお金を巻き上げているようにしか
思えません。

患者さん(お客さん)の立場からすれば、
「ホントにここに行っていいのかなぁ?」と
なるのでは。

鍼灸だって仕事です。
自分(担当者)が、自分自身の能力や限界を知らず、
「なんでもできます。」と言っていれば
リーダー(患者さん)は、「こいつで大丈夫か?」
と怖くて、その人に仕事を頼むことはないと思います。

もしあるとすれば、それは「なんとなく」とか
「仕方なく」といった、たいして考えずに決めての
ことです。

そういう仕事のやり方(患者さんの集め方)は、
すぐに行き詰り失敗してしまうことは、
言うまでもありません。

自分自身の限界を知らずに仕事を受けることは、
自分にとっても患者さんにとっても不幸な結果にしか
ならないのです。

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2015年3月30日 (月)

20150330 無断キャンセルをする奴は仕事ができない

サラリーマンのとき、開発のための部品を購入したり、
計測器の売り込みで、よく外部の営業担当者と面談を
することがありました。

こういう面談では、企業対企業の打ち合わせなので、
時間を守らない人は滅多にいません。
それは当然のことで、約束を守らないような会社や
その営業担当は信用できないからです。

もし、面談時間を守らないようであれば、その仕事も
なくなるわけですから、サラリーマンとしては
仕事ができない「失格者」ということになります。

約束や時間を守る、もしそれができないときは電話で
連絡して日時を変更してもらう、ということは社会人で
あれば当然しなければいけないことです。

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現在、鍼灸院を経営していますが、施術に際しては
お待たせすることのないように事前予約を受けています。

しかし、予約をしても時間通りに来なかったり、
連絡なく来ない(無断キャンセル)をする人が時々います。

その対策として、「遅れるときは連絡をお願します。」と
言って『はい。』と返事をもらっています。
これは『はい。』と返事をしてもらうことで、予約をした人へ
無断キャンセルができないように心理的圧力をかける
効果があるとされています。

ところが、『はい。』と返事をしているにも関わらず、
それでも、予約を勝手に反故にする人がいます。
酷いのになると、予約時に聞いていた電話番号にかけても
無視して出ようともしません。

おそらく、「仕事の都合でいけなくなった。」とか
「突然予定がはいった。」というものでしょう。
もしかすると、ただ単に「やっぱ行くのや~めた。」
といった程度かもしれません。

でも、予約というのは、店舗の時間を拘束する「契約」
を交わしているようなものです。
その時間をお店はその人のために確保しているのです。

約束の時間を守ることもできない、
もし都合が悪くなって行けなくなっても
電話一つできないような人は、
どうせ仕事もまともにできないような奴に違いないと
長くサラリーマンをやっていた私は判断してしまうのです。

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2015年2月21日 (土)

20150221 知らなかったでは済まされない

鍼灸師や柔道整復師の養成学校(専門学校)では、
免許取得のための勉強はもちろんのこと、
卒業後に「即戦力」となれるよう、実技を徹底的に
教えてもらいます。

鍼灸師や柔道整復師は、卒業後にすぐ独立開業
する人も多いことから、開業の際の法的なことも
授業の一つとして教えられます。

その内容の一つが「保険施術」。

鍼灸師や柔道整復師は、保険を使った施術は
許されていますが、病院と異なり、それには
いろいろと制約があります。

例えば、鍼灸院で保険が使えるのは、
『主として神経痛リウマチ頸腕症候群
五十肩腰痛症及び頸椎捻挫後遺症等の
慢性的な疼痛を主症とする疾患の治療を
受けたとき』に保険の対象となります。

また、鍼灸施術を保険で受ける際には、
医師の同意書が必要であったり、
保険医療機関(病院、診療所など)で
同じ対象疾患の治療を受けている間は、
はり・きゅう施術を受けても保険の
対象にはなりません。


柔道整復師(接骨院)
も同様に、保険が
使える範囲も限られていて、
厚生労働省のHPでは、
『整骨院や接骨院で骨折脱臼打撲及び捻挫
(いわゆる肉ばなれを含む。)の施術を
受けた場合に保険の対象になります。
なお、骨折及び脱臼については、
緊急の場合を除き、あらかじめ医師の同意を
得ることが必要です。』と掲載されています。

また、接骨院で保険施術を受けるときの
注意事項として、
単なる肩こり、筋肉疲労などに対する施術は
保険の対象になりません。このような症状で
施術を受けた場合は、全額自己負担になります。
保険医療機関(病院、診療所など)で
同じ負傷等の治療中は、施術を受けても
保険等の対象になりません。』
と明記されています。

詳しくは、厚生労働省のHPをご覧ください。

ところが、いろいろな鍼灸院や接骨院の
ホームページを見ていると、時々この保険施術の
決まりを守らずに、適当なことをやっている
ところを見かけます。

例えば、とある接骨院では、施術内容と
掲載された内容に、【保険診療】として、
『肩こり、腰痛・ぎっくり腰、膝の痛み、
スポーツ障害、坐骨神経痛、メドマー、眼精疲労、
手・足のしびれ、オスグット、シンスプリント、
冷え性・むくみ、四十肩・五十肩、猫背、
寝違え、リハビリ、生理痛、女性特有の症状』
と掲載しています。

前述の厚生労働省のHPに掲載されている、
骨折、脱臼、打撲、捻挫』の一言も書かれて
いません。

いったい、「生理痛」や「女性特有の症状」が
どうして接骨院の保険適用症状なのでしょう?

つまり、この接骨院は、保険の不正請求
行っていることを、堂々とホームページに
掲載しているということです。

ホームページは「広告」ではありませんから、
あはき法や柔道整復師法で定められた内容に
それほど制約されません。
ですから、これら法律では広告として禁止
されている料金や術式、施術者の経歴の掲載は
許されています。

しかし、「保険適用内容」というのは、
キチンとした決まりに基づいて掲載しないと
いけません。
これは広告云々という次元ではありません。

開業された医師の場合は、地方厚生局の担当官
により診療報酬の審査があり、問題があれば
診療報酬の返還が求められるなど、厳しく
指導されていると聞きます。

果たして、私達鍼灸師や柔道整復師は
どうでしょう?
上記のような堂々と「不正請求」をして
いながら何も指導されないのは、
いかがなものでしょう?

鍼灸院や接骨院を経営する「経営者」は、
こういう制度をしっかりと勉強し理解し、
守っていかなければいけません。


「知らなかった」では済まされないのです。

保険の不正請求でしか院の経営・維持が
できないような無能な経営者は、
鍼灸院や接骨院を即刻廃業してもらいたいです。

この業界全体が、不正をやっているように
思われ、決まりを守って真面目にやっている
他の鍼灸院・接骨院が迷惑します。

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2015年2月16日 (月)

20150216 わからないものに手を出すと損をする

以前、「金持ち父さん貧乏父さん」っていうビジネス書が
流行ったことがありました。
今でも書店にあるかもしれません。

ロバート・キヨサキって経営コンサルタントが書いた
この本、私も読んで、不動産投資に手を出そうか
迷ったことがあります。

ワンルームや1Kのアパートを一棟買いして、
家賃収入でローンを返済すれば、
完済したときには土地が自分のものになる、
な~んて不動産投資です。

なんだか「自分も不動産投資家」になって
お金持ちの仲間入りができるような気分に
なったものですけど、実際にはやりませんでした。

その理由は・・・。
一棟買いしたアパートを、それを販売した会社に
一括で管理をお願いするっていう、その運営形態に
疑問があったからです。

「いったいその会社の従業員の給料はどこから
払われるの?」って考えたとき、もちろん
そのアパートの「オーナー」からの手数料なのです。

これでは、不動産投資しても「まったく儲からない。」
ってことに気が付いたのです。

自分で管理できないもの、他人に委託して管理して
もらうものは、当然その会社も従業員に給料を払う
必要がありますから、とってもお金が掛かってしまいます。

不動産投資で儲かっている大家さんは、
業者さんにお願いせず、必ず自分で管理しているもの
なのです。

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鍼灸院を始めるときに、ホームページによる営業が
絶対に必要って考えて、サラリーマンのときから
コツコツ勉強していました。

そのお蔭で、私の鍼灸院のホームページは、
全て私が作っていますし、管理もアップデートも
全て私がやっています。

GoogleのPPC広告にしても、自分で勉強して少しずつ
改善ながら十分広告として機能しています。

こういうことを自分でやることで、
ホームページを使った広告は、プロバイダーの費用や
ドメインの維持・管理料、ホームページ作成ソフトの
購入費、PPC広告の実費しか掛かっていません。

一ヶ月に掛かる経費は、新規患者さんが数人来院
されただけで元が取れる数字になっています。

もしこれが専門業者さんにお願いして作ってもらったなら。
作成だけで20万円~30万円、管理費やら何やらで
年間数十万円。
修正をお願いすれば、ちょっとした変更でも都度
2~3万円は取られることでしょう。

年間売上数千万円~数億円っていう大規模な
接骨院や鍼灸接骨院ならそんな金額は
たいしたことはないです。

でも、年間売上が数百万円の個人で細々と
やっている鍼灸院で、この金額はけっこうな負担に
なってきます。

よく、「ホームページ集客をするなら、専門の業者に
依頼して自分は施術に専念したほうがいい。」っていう
広告を見かけます。

これは開業時の「短期間」で考えれば正しい選択だと
思います。
しかし問題はその後。

ちょっと内容を変更したいと思っても、
業者さんに丸投げして作ってもらって、管理まで
お願いしているホームページは、僅かな変更にも
お金が掛かります。

その理由は簡単です。
その業者さんにも従業員が居て、その人達に給料を
払わないといけないから。
少しでも仕事を増やして、お金を稼がないと
いけないからです。

今年になって、GoogleさんのPPC広告が
「医療広告ガイドライン」に準拠していないホームページを
強制停止する「事件」がありました。

うちの場合は、事前にこういうこともあるだろうと、
ホームページの内容を修正していたので
停止されることはありませんでした。

しかし、PPC広告を出していた他の鍼灸院は、
広告の強制停止の憂き目にあったようです。

こういう鍼灸院の多くは、「患者さんの声」とか、
「施術前後のbefore/after」を掲載していました。
たぶん、こういう内容を掲載すると新規集患に
効果がある、とでもホームページ作成業者さんに
言われていたのでしょう。

でも、この表現方法が広告として問題があることは、
以前から美容形成外科の広告で指摘されていたことです。
PPC広告が「広告」であることを理解し、
自分でホームページを作成して、そしてこのような情報に
敏感になっていれば、予め対処できたはずです。

こういう鍼灸院のPPC広告が未だに
表示されないところを見ると、対応方法すら
わからないのでしょう。
もしかするとPPC広告さえ、業者さんにお願いして
出していたのかもしれません。

おそらく今頃、ホームページ作成を依頼した業者さんから、
「PPC広告対応のホームページに修正しませんか?」とか、
「PPC広告を再掲載させるには、
これくらい費用がかかりますよ。」
なんて資料が送られてきていることでしょう。

個人で細々とやっている鍼灸院では、
ホームページは、できるだけ自分で作成して、
自分で修正できるくらいでないとネット集客は難しいと
思います。

業者さんに頼むと、コストが掛かり過ぎます。

開業しても毎日患者さんがたくさん来るわけでは
ありませんから、施術の合間に勉強してホームページ
くらいは自分で作れるようにならないと。

それができないなら、ネット集客は諦めるか
やらないことです。
別の集客方法を考えたほうがいいと思います。

不動産投資にしてもホームページ作成にしても同じです。
業者さんの話しを鵜呑みにすると、自分は儲からずに
業者さんばかりが儲かってしまうということです。

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2015年1月17日 (土)

20150118 安定してものを作る意味

しつこいようですが、私、元はエンジニアです。
電気工学の開発職をしていました。

開発職というのは、「世の中にある技術」を使って
「世の中にない製品」を作る仕事です。
そして、開発された製品を安定して生産して
「商品」とすることも大事な仕事です。

この「安定してものを作る」というのは、市場
つまりお客さんのところで不具合が出ないように、
お客さんの不利益とならないように、
最大限の努力をするということに繋がります。

安定してモノを作るには、材料の他、それを
作るための「道具」も必要になってきます。

業界では「治具(じぐ)」というのですけど、
その製品を作るためには必要不可欠なものです。
そして、その治具(道具)の作り具合によって
製品が安定して作れたり、不具合がでたりと
影響することとなります。

エンジニアと呼ばれる仕事に限らず、
伝統的な工芸品を作る職人さんでも、
「道具」を巧みに使うことで
より素晴らしい製品を作ることができます。

そこには、「よりよい製品をお客さんに提供しよう」
とするたゆまない努力があるのだと思います。

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さて、私は現在鍼灸の仕事をしていますが、
異業種から参入すると、いろいろと???と思うことに
出くわします。

鍼灸施術では、患者さんの症状によってはお灸を
することがあります。
例の艾(もぐさ)をひねってする、あの熱いお灸です。

この艾をひねってするお灸なのですが、
できるだけ細くひねって、糸状にしたお灸をしなければ
ならないことがあります。

このお灸を「糸状灸(しじょうきゅう)」と言って
なかなか指でひねって作るのは難しいものです。

ところが、艾を糸状にするのに、100円均一で売っている
コルクコースターを使うと簡単にできます。
2枚のコースターに少量の艾をはさんで、コースターを
擦るように動かすと綺麗に艾が糸状になってくれます。

もちろん、力を掛け過ぎると硬い糸状灸になってしまう
のですけど、力の入れ加減を調整すると
指でひねった糸状灸よりも、より安定して、
より細く、より均一な糸状灸を作ることができます。

これは力の入れ具合や、艾の量を変えたり、
ちょっと実験すればすぐにわかることです。

つまり、治具(道具)を使うことでよりお客さんに
安定した「施灸」を提供することができるように
なるのです。

しかし先日、同業の鍼灸師から面白い指摘を受けました。

「コルクコースターでひねると硬くなるから、
僕らの流派では御法度で、必ず指でひねらないといけない。」
と半ば馬鹿にしたように言われました。

全く理解に苦しむ考えです。

指でひねったほうがよりよいものができる根拠は
何でしょう?
指先の感覚?
それとも念力か何か、未知の力が艾に影響するのでしょうか?

もしかしたら、一度くらいは試したことがあるのかも。
でも、恐らく深く追求することなく、
「だめじゃん」と簡単に諦めてしまったのかもしれません。

私からすれば、指で艾をひねれば、体調や指先の
湿度(汗)、艾の量などのばらつき要因で、
できた糸状灸は形状の安定しない、ばらつきの大きな
ものになってしまうと思われます。

こんなばらつきのあるものが、コースターを使ったもの
より良質な糸状灸ができるとは思えません。
それは、安定して患者さんに施灸技術を提供することが
できないということです。

「昔からそうしているから」とか「僕らの流派では使っては
いけないのだ。」という考えが理解できないのです。

私は、なんでも新しいものを取り入れればよいと言っている
のではありません。
よりよい技術をお客さん提供しようとするのであれば、
「よいものはどんどん取り入れる」
「ただし、残さなければいけないものは残しておく」
という考えでなければ、その技術は発展しないのでは
ないかと思うのです。

だいたい、よい品質の艾を作るのだって
「よもぎ」から手だけで作っているのではなく、
「道具」を使わないと生成できないのですから。

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2014年11月25日 (火)

20141125 鍼灸はソリューション・ビジネス

以前サラリーマンだったころ、私は研究部門から
スピンアウトした、新規事業開発部門のエンジニア
として働いていました。

その部門では、光通信技術で画期的な発明をし、
それをビジネスとして立ち上げようとしていました。
それまで世の中になかった、ホントに「画期的な技術」
だったのです。

そこで私達は、その技術を使った製品を開発すべく、
いろんな社内の部門やお客さんと見込めそうな
社外のいろんな部門へ、私達の技術を紹介する活動を
していました。

そのときのお客さんの反応は、みなさんほぼ同じで
「素晴らしい技術ですね。弊社の製品にどうやったら
 展開できるか、検討させて下さい。」

そしてしばらくして、『いかがでしょうか?』と聞いても、
「なかなかいいアイデアが出ませんで…。」
と回答されるのです。

そんな調子で、いくら説明してもまったく採用して
もらえませんでした。

しかしあるとき、そんな活動を見ていた部長から、
「そういう売り込みじゃなくて、『お客さんのこういう
ところにうちの技術を使えば、こういう素晴らしい製品が
できるのではないでしょうか?』と売り込みなさい。」
と指導されたのです。

そうなのです。
いくら画期的な技術であっても、
「ただ自分の技術を紹介しているだけ」では、
お客さんの反応は
「ふ~ん、だから何なの?」と冷たいものです。

お客さんがホントに欲しい情報は、
「自社の製品がどんなに売れるものになるか?」と
いうことです。

つまり、
「その技術が自分達にどれくらいの利益をもたらして
くれるか?」を、具体的に知りたいのです。

お客さん自身でさえ気付いていない問題点に対して、
自分達の技術を使うことで、それが解決できることを
知ってもらわなければいけないません。

これが問題解決型ビジネス「ソリューション・ビジネス」の
一つなのだと思います。

部長に指摘された売り込み方を始めたところ、
徐々に真剣に話しを聞いてくれるお客さんが出てくる
ようになり、やがて商品開発に結び付きました。

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さて、現在私は鍼灸師として鍼灸院を経営しています。
自分の持っている技術が、どのような症状で困っている方に
どのようにお役に立てるのか?
いつもそれを考えて、時間の許す限り
ほぼ毎日のようにホームページの内容を修正しています。

例えば、「腰痛」でお困りの方がいたとします。
一言に「腰痛」と言っても、
「どこが痛いのかわからない鈍痛」かもしれないし、
「腰の横のところがギューっと痛い」のかもしれません。
あるいは
「ギックリ腰になりそうなキリっとした痛み」かも。

肩コリだってそうです。
「頭痛がするような肩コリ」もありますし、
「肩甲骨のところがギリギリ痛い」ような肩コリだって
あります。

そういう症状の一つ一つを丁寧に、推定される原因と
その鍼灸治療方法を解説しています。

この方法が正しいのかどうなのかはわかりません。

しかし、弊院のホームページをご覧になった方が、
自分の症状と照らし合わせて、何が原因で、またその
症状が軽減できるものなのかどうかを、判断できるように
なるのではないかと思うのです。

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こういう観点でいろんな鍼灸院、接骨院などの同業者の
ホームページを見ていると、よくあるのが
「XX流の鍼により痛くない鍼治療」
「ソフトタッチの無痛整体」
などです。

そして、それらの多くが「あなたの健康に寄与する…云々」
といった漠然とした言葉を添えています。

正直なところ、私も初めはそんな言葉を書いていました。

しかし、どこかいい鍼灸院や整体院がないか、と
探している人から見ると、
『ふ~ん、だから何なの?』
と思われているのではないでしょうか?

その施術を受けることによって、
「自分の症状は、よくなるのか?」
「その施術だったら、どうしてこの症状がよくなるのか?」
「ホントにその施術方法は、自分の症状に合っているのか?」
等々。
こういう重要で欲しい情報が、さっぱり伝わらないのです。

鍼灸院をはじめ、この業界の仕事は、身体に不調を
訴えている人を、できるだけ楽にしてあげることです。

でも、もしその方々が、自分自身の不調の原因がわからず、
そしてどこに行けばその不調を解決してくれるのかが
わからなければ、私達からそれを知らせてあげないと
いけなと思うのです。

鍼灸院は、ソリューション・ビジネスです。

自分達の技術が、どういう人にどう役に立つのかを
その人の立場になって考え伝えなければ、それは
「ただ自分の技術を紹介しているだけ」
となってしまうのです。

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2014年11月23日 (日)

20141123 鍼灸師は手先が器用でないといけない

2009年に21年勤めていた会社を辞めて、
技術者から転職して早いもので6年になろうと
しています。

サラリーマン時代に培っていた知識や技術は、
有難いことにいまでも現在の鍼灸師の仕事に
大変役立っています。

・パソコン作業全般は、お店のホームページ作成に
・社内プレゼンや展示会での説明資料作成は、
 ホームページに掲載する文書に
・展示会でのお客さんへの自社製品の説明は、
 患者さんへの鍼灸治療説明に

こういう知識や技術は、簡単に身に付くものでは
ありませんし、誰かに教えられてできるように
なるものでもありません。
自分で手や頭を使って、何度も失敗しながら得て
いくものだと思います。

その中でも、鍼灸治療に役に立っているのが、
「顕微鏡を使った細かい作業」です。

技術者だった頃、私は新規事業部門の所属し、
担当していたのは、半導体部品の検査装置の開発や、
光通信装置の回路設計などでした。

例えば、試作した基板では、ときに部品の取り換えなども
必要で、1mm程度の部品の半田付けを、顕微鏡を使って
行なわなければいけません。

こういう作業は、手先が震えては到底できません。
ちょっと手を動かしただけで顕微鏡内では大きく動くため、
慎重な手(指先)の動きも必要となります。

さて、
鍼灸治療も同じで、患者さんの身体に鍼を刺す場合、
どの方向に鍼が進んでいるか、どれくらいの深さに
達しているか、そしてそれが目標としている患部に
当たっているかを、頭の中でイメージしながら、
指に伝わってくる感触だけで判断しないといけません。

そして、患部に当たっていなければ、鍼を抜くことなく
数mm単位で方向を変えながら、刺しなおしていく
細かい動き。

こういう指先の動きや、鍼先から伝わってくる
細かい感触は、シャベルを使って穴掘りをするような
身体全体を使った大きな作業ではなく、
顕微鏡を覗きこみながら極めて小さな部品を
半田付けしていた作業にも通じるのです。

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2014年7月13日 (日)

20140713 お客さまのお言葉

先日、このブログ「鉄は熱いうちに打て」に、
以下のコメントを頂戴いたしました。
関東地方にお住いの方が、
わざわざこのようなコメントを入れて下さり、
ありがとうございます。
私の操作ミスで削除してしまいましたので、
改めて転載し紹介させて頂きます。
----------------------------------
以前、そちらに伺い
男性の驚くほど下手な整体コースを
受けました。
たまたまこちらを見たのですが
このブログを読むと
技術が飛躍的に上達したみたいで
安心しました。
たくさんのお店で受けましたが
ワースト3に入る体感でした。
90分をうけて
仰向けにならないでいきなり
終わったのも衝撃でしたが。。。。
----------------------------------
弊院では、開業してからの全ての施術内容等を
詳細に記録・保存しています。
せっかくこのようなコメントを書いて頂いたにも関わらず、
お名前の記載がありませんでしたので、
コメントのIPアドレスとホスト名から発信地域を絞り込み、
弊院の全記録データと照合させて頂きました。
その結果、開院して間もないころにご来院頂いた方と
確認いたしました。
たくさんある整体院の中から、せっかく弊院を選んで
下さったのに不快な思いをさせてしまいましたこと、
大変失礼いたしました。深く反省しています。
お蔭さまで、その後弊院はたくさんの方にご支持を頂き、
先日6月14日で無事開業5周年を迎えることができました。
これからも頑張ってまいりますので、
ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。

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2014年6月 4日 (水)

20140604 ないものを営業活動してはいけない

先日、とある通信会社から新商品の売り込みが
ありました。

説明文によれば、
「あなたのマンションはこの商品の適用と
なっているので、この商品に変更しませんか?」
というものです。

性能も上がっているし、変更費用もかからないし、
すぐにできるなら変更してもらおうと、
この通信会社に連絡しました。

ところが、その回答は、
「それができるのは××ヶ月先なので、
まだ変更できません。」

商品がないのに売り付けようとする商売です。
こういうものを普通は「詐欺」と呼びます。

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私も以前は企業の製品開発部門にいましたから、
製品の売り込みがいかに大事で大変なことかは、
よく理解していると思っています。

市場調査から商品スペックを決めて、
開発計画が決まって試作して、目標とする性能が
出ること確認できれば、量産準備と共に
営業活動が始まります。

つまり、「その製品ができることがわかって、
はじめて営業活動」を始めることができます。
製品ができるかどうかわからない時点で、
営業活動を始めてはいけないのです。

前述の通信会社は、おそらく
「できることはわかっている」のでしょうけど、
その営業方法を間違えてしまったということです。

企業活動というのは信用が重要ですから、
一度このような営業をして信用をなくしてしまうと、
後に営業活動をしても、売れる商品も売れなくなって
しまいます。

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さて、現在私がいる鍼灸業界。
以前からおかしいなぁ、って思っていることがあります。

それは、
「できることとできないことが区別されていない。」
ということです。

鍼灸は、WHOが代替補完医療として有効と認めた、
すぐれた技術です。
その中には、現代医療でも治療の難しいものが
含まれており、果たして本当に鍼灸で治るのだろうか?
と思うものもあります。

ところが、巷にある鍼灸院のホームページには、
WHOが認めたからといって、あたかも自分の鍼灸院が
その治療ができるかのごとくに掲載したところが
実に多いのです。

長年臨床経験を積んだ、素晴らしい鍼灸院の先生方の
ホームページであれば信用できます。

しかし、肩こりや腰痛などの整形外科的疾患しか
対応したことのない経験の浅い鍼灸師が、
果たしてそのような難しい疾患に対応できるのでしょうか?

一般の方、つまり患者さんはそのようには
思わないでしょう。
かえって、WHOの適用疾患を並べて表示している
新規開業の鍼灸院を見て「胡散臭い」と感じるのでは
ないでしょうか?

「鍼灸は優れた技術だから、その鍼灸をやっている
うちの治療院に来て下さい。」という鍼灸師の
熱心な気持ちは、これでは伝わりません。

「なんかしらんが、鍼をすれば治るんじゃないの」
という、認めたくはないけどホントはこう考えている、
という、ちょっといい加減な気持ちが、なんとなく
患者さんに伝わってしまうのではないでしょうか。

そして、こういう鍼灸院はいつまでたっても
患者さんが来ないという、ありがちなパターンに
なっていくのです。

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この問題は、自分ができることと、WHOが認めたことは
別であることが理解できていないのだと思います。

裏を返せば、自分に自信のあることをホームページに
掲載して、どうしてそれが鍼治療で効果があるのかを
示せば、患者さんは信用してくれるのだと思います。

「できない商品」を売り込んでも、お客さん
(患者さん)は、信用してくれません。

それは、企業活動でも個人事業でも同じことです。

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2014年5月14日 (水)

20140514 感受性

感受性:外界の刺激や印象を感じ取ることができる働き。
       -デジタル大辞典より-

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鍼治療では、先端の尖った金属(鍼)を皮膚や筋肉に
刺すため、ある程度の刺激を受けることになります。
人の感受性には個人差がありますから、
この鍼の刺激に対して10人いれば10人様の反応があります。

例えば、ちょっと鍼が刺さっただけで、
痛くてそれ以降の鍼をまったく受付けなくなる人。
或いはその逆で、鍼をズズっと深く刺入していっても
それほど感じない人もいます。
人によっては、初めてでも鍼のズーンとする感覚を
気持ちいいと感じることもあります。
これらは患者さんの痛みに対する「感受性」の違いから
生じるものです。

ですから、鍼治療の場合は、患者さんの感受性に
合わせた鍼刺激量を考慮する必要があります。

当院は市街地にあり場所が分かりやすいため、
初めて鍼をうける人(鍼初心者の方)がよく来院されます。
このような「鍼初心者」の方には、鍼治療を始める前に
いろいろとお話をし、鍼ではどのような刺激がくるか、
またそれはどのようなときか、などをお話しています。
その中で、その方がどのくらいの感受性があるのかを
推測して鍼治療を始めています。

例えば、感受性が強いと推測された人には、
細い鍼で浅く刺す低刺激の鍼を行います。
もっと感受性の強そうな人ですと、鍼を刺さずに
当てるだけの治療を行うことも。
さらにもっと感受性が強くて、鍼がどうしても怖い方
には指を鍼に見立てて、鍼をする場所を指尖で押す
「指鍼」を行います。
このように感受性の強い方は、これくらいの
弱い刺激でも十分に症状が改善してきます。

それとは逆に、鍼初心者でも筋肉がキリキリと痛む
ほどになった患者さんには、その筋肉にしっかりと
鍼を当ててズーンとする感覚(得気)が来るほどの
鍼刺激を与えることもあります。
このような患者さんの場合、それまでの痛みが
我慢できないほど強かったこともあり、鍼の刺激が
「気持ちいい」と感じるようです。
同様に、このような方の場合は、強い刺激だったり
鍼を深く刺さないとあまり症状が改善しません。

また、いろんな鍼灸院を受けてから来院される人もいます。
「別の鍼灸院で鍼治療を受けたら、刺激が強すぎて
立てなくなった。」とか、
逆に、「あそこの鍼灸院は刺激が少なすぎて、何にも
ならなかった。」など。

このように、患者さんが10人いれば10人とも、
鍼に対する感受性や経験が違うため、
当院ではいろいろな方法で対応しているのです。

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鍼灸師のあいだでは、
「鍼は強い刺激を与えてはいけない。」
「深く鍼を刺してはいけない。」とか、
反対に
「鍼でしっかりと得気を与えないといけない。」など
という議論がよくあります。

一般の方はご存知ないと思いますが、鍼灸には様々な
流派・術式があって、上記のように鍼刺激に対する考え方が
異なるのは、その鍼灸師の所属する「流派」に依ることが
多いです。
特に、所属する団体の考え方に傾倒している方に、
強くこの傾向があるようです。
一般の方からしたら、まるで宗教対立のように見えるのでは
ないでしょうか。

医師は、インフォームドコンセントによって
事前に患者さんに、どのような術式を行う予定で、
それによりどのような副反応(リスク)が
あるのかをしっかりと説明しています。
患者さんが、観血的治療がどうしても嫌なら保存療法を
提案・選択するでしょうし。
でも、手術でなければ治らないならそれを伝える。
つまり、患者さんの立場にたって、もっともよい手段を
選択しています。

翻って私達鍼灸師がどうでしょう?
「俺の鍼はこういう鍼だ。」とか、「これがいいんだ。」
といった自己満足的な治療方法で、患者さんに施術しては
いないでしょうか?

患者さんが「痛いからやめて」と訴えているのに、
『これじゃないと治らないぞ。』とか。
「患者に聞くのではなく、患者は教育するものだ。」
などと高飛車な態度をとってはいないでしょうか?

自分の所属する流派の考え方云々という考えではなく、
「患者さん」の立場にたって考えてみるとどうなのでしょう?
患者さんによって症状や感受性が異なるわけですから、
「こういう鍼の方法がいいんだ。」という決め付けた考え方は、
患者さんに目が向いていないように思いませんか?
そう、「弱い刺激がいい」とか、「強い刺激でないとだめだ」
といった両者のこの議論には、「患者さん本位」という
一番重要なことが欠けているのように思うのです。

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このようなことを書くと、多くの鍼灸師から、
「おまえは自分の治療に自信がないから、そういうことを
言うんだ。」とか、「その術式への信念がないからだ。」と
言われそうです。
…まぁ、そうなのかもしれません。

しかし、もうちょっと謙虚になって、患者さんのことを
考えてみませんか。
最も重要なことは、「患者さんがその痛みや辛い症状から
解放されて、楽になる最良の方法を選択すること。」では
ないでしょうか。

この業界にはいってしばらく経ちますが、
いつも鍼灸師同士の「内向きな視線」で議論がされている
ように見えてしまいます。
「××してはいけないのです。」などといった、
稚拙な論理で構成されたこういう文章は、
一見患者さんへのアドバイスのように発信されている
ように見えますが、実のところは患者さんに
向けられているのではなく、他の術式をする鍼灸師を
否定・攻撃しているだけの「内向きな視線」によるものに
過ぎないのです。

鍼灸とは縁遠い、異業種であるメーカーの研究開発という、
いつも「お客様」を第一に考えて仕事をしなければ
ならなかった私には、いつも繰り返されるこの議論は、
患者さんを「見ていない」ように思えてしまうのです。

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2013年6月14日 (金)

20130614 お陰さまで4周年

6月14日で、当院も4周年を迎えることができました。

先日、週刊朝日に掲載された記事(2013年5月3・10日号)
「鍼灸院選びのポイント」によると、
いい鍼灸院をお見分ける方法の一つに
「同じ場所で3年以上開院していること。」というのが
あります。

この定義からすると、当院もようやく「選ばれる鍼灸院」
になってきたのかと思っています。
http://dot.asahi.com/life/lifestyle/2013042500043.html

しかし、一般の人から見ると「僅か3年で?」と不思議に
思われるかもしれません。

でも、近所の商店街などをよく観察してみてください。
おそらく、開業したのにすぐに閉店しているお店が
数軒あるのではないでしょうか?

当院の近くにも、同時期に数軒の接骨院ができましたが、
そのうちの一軒は開業後わずか3カ月で閉院して
しまいました。

業種は違いますが、同じ地区にあるお店にも
雑貨屋さん、メガネ屋さん、飲食店さんなど
いろんなお店が半年と経たずにお店を閉めて
しまっています。

「僅か3年」ですけど、3年間経営を維持するのは
それなりに大変なのです。

サラリーマンの3年なんてすぐに経ってしまう
のですけど、3年間維持できるというのが
どれほどのことなのか、自営業をするようになると、
初めてわかります。

景気が少しずつよくなってきて、企業もリストラを
する必要がなくなるかもしれません。

でも、もし現在サラリーマンの方で、
「将来、自営業をやってみたいなぁ。」と思う方が
いらっしゃいましたら、とにかく3年間は頑張れる
ようにしてください。

それが他人(お客さん)から見て、
「いいお店」の判断材料の一つとなるのです。

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2013年3月 9日 (土)

20130309 鉄は熱いうちに打て

人は柔軟性のある若いうちに鍛えることが
大事だという教え。また、物事は時期を
逃さないうちに実行しないと成功しにくい
という教え。~故事ことわざ辞典より~

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私がサラリーマンをしていた会社では、
新入社員は入社して2年間ほど
OJT(On the job Trainig)といって、
仕事をしながらの教育される制度がありました。

このOJT期間中、職場内の先輩が「指導者」として
仕事を教えてくれて、様々なことを学んで
いきます。
OJTを通して新入社員は、それまでの甘ったれた
学生生活から脱皮し、社会人としての厳しさを
教えられ立派に成長していきます。

しかし、OJTの指導者がとっても甘い人だったり、
職場そのものが生ぬるい部門だったりすると、
新入社員の中には
「こんなのでいいなら、楽勝楽勝!」と
社会を舐めた考えの者が出てきます。

こういう生ぬるい環境でも、成長したいと考える
新入社員は、自分で勉強してより困難な中に
身を置くように努力し成長していくのですが、
いい加減な環境をいいことに、
適当に過ごしていく新入社員がいるのです。

そして、こういう生ぬるい状況で教育を受け、
かつ、甘ったれた考えを持った新入社員は、
その後同輩たちからは確実に置いていかれる
ことになり、この差はその後どんなに頑張っても、
なかなか縮めることができない大きな差と
なって表れ、5年後、10年後には、後悔しても
遅いという悲しい状況が待ち受けています。

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この3月で私も鍼灸専門学校を卒業して、
一年が経ちました。

この一年間、私は神戸まで月2回の鍼実技の
講習会に参加したり、カミさんと二人で経営
している鍼灸院をもっといいものにするために
一所懸命努力してきました。

お蔭さまで、来院される患者様方からも信頼される
鍼灸師になれつつありますし、当院の治療方法で
得意とする運動器系疾患の治療では、かなり自信を
持って臨むことができるようになりました。

一緒に卒業した同級生たちにも、
私と同じように開業して頑張っている人、
仲間といっしょにゼロから鍼灸院を立ち上げた人、
介護施設併設の鍼灸院の院長として頑張っている人、
治療院のでのアルバイトをしながら毎月勉強会に
参加して、自分の納得いく技術を身につけている人、
訪問鍼灸の担当になって、訪問先から毎日
感謝されている人、
教員養成学校に進学して、臨床経験を積みながら
一所懸命勉強している人、など。

みんなこの一年、それぞれに辛いことを乗り越え
ながら、頑張って鍼灸師としての腕を磨いています。

ところが、
この鍼灸業界もサラリーマン社会と同じで、
卒業して一年も経つのに、相変わらず学生のときと
同じ生ぬるい環境から抜け出ることなく、
好き勝手なことをしていて、何も進歩していない
なんとも情けない人がいます。

こういう人には共通するところがあって、
自分は独立しては何もできないのに、
他人のやることにはケチをつける。
そして、
いつも楽なほうに楽なほうにと進んでいこうとする、
物事に対するその甘ったれた考えです。

こういう人達の5年後、10年後は、
ここで敢えて言わなくても、誰でも推測できるでしょう。

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新しいことを始めるときは、スタートダッシュで肝心です。
それは決して楽なことではありません。
でも、自が成長したいなら、多少辛い状況に身を置いて、
そこで頑張ってみて、自分を磨きあげることが大事
なのではないでしょうか。
これは、どんなことをやるときも同じなのだと思います。

鉄は熱いうちに打たなければ、不純物を取り除くことが
できません。そしてそれは、使い物にならないただの
「くず」として扱われることになるのです。

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2013年1月13日 (日)

20120113 揺さぶり

組織の動きが悪くなって、
正常に機能が働かなくなった状態に陥った場合、
組織に刺激(揺さぶり)を与えると、
正常な状態に戻そうとする本来の機能が働いて、
組織が活性化する。

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鍼実技の講習会で習ったことで、強く印象の
残った言葉として、「鍼治療とは身体に
揺さぶりを与えること。」というのが
あります。

人間とは「ゆらゆらと揺らいでいるもの」
であって、それがどちらか一方に傾いた状態
(病気の状態)であれば、鍼刺激によって
「揺さぶる」ことで正常な状態に戻ってくる、
というのです。

当院での鍼治療の対象としている筋肉は、
時々動きが悪くなることがあります。

その原因は様々ですが、同じ姿勢を取り続ける
ことで筋肉の老廃物が溜まっていることもあり、
筋繊維への神経伝達がうまく動いていない
こともあり。
いずれにしても、そのままでは筋肉の動きは
もとの状態に戻ってくれることは期待できません。

そこで、鍼で直接的に刺激を与えて、
生体に対して「揺さぶり」を与えることで
身体が本来もっている「正常な状態に戻そう」と
する力を、呼び覚ましてやらなければ
ならないのです。

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以前、サラリーマンだったころ、社内では
頻繁に定期的な小さな人事異動や組織変更が
行われていました。

でも、数年に一度、グループ社員も含め
二万人以上の、組織全体に影響する大きな
組織変更も行われていました。

一見、不要に思えるこの大きな組織改革は
まるで、会社の動きが硬直してしまい、
それに強い刺激(揺さぶり)を与えて、
組織を活性化させるように見えました。

現在、政治の世界では、安倍首相による
「アベノミクス」という経済活性化対策が
矢継ぎ早に打たれています。

現状の滞った経済に、強い刺激「揺さぶり」を
与えることで、経済が活発に動くように
しようとしているのだと私は解釈しています。

前政権が行った「仕分け」は、これとは逆に
組織を「揺さぶる」のではなく、
「硬直させる」行為のように見えたのです。
まるで、どちらか一方に傾いた組織が
同じ方向にもっと傾いていくように。

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人体も会社も経済も政治もこうやって見ると、
同じように組織が滞った状態に陥った
ときには「揺さぶり」が必要なのだと思います。

もちろん「揺さぶり」が大きすぎると、正常な
状態に戻るのに多少時間がかかるかもしれません。

鍼灸であれば、2、3日だるくなったり、
会社であれば一時的な混乱が生じたり、
経済であれば給与上昇に対して
物価上昇が早くなって、短期的に景気が悪いと
感じたり。

このように近視眼的には、「揺さぶり」は
一時的に「悪くなる」ように見えることが
あると思います。

このため、「揺さぶり」の「悪い面」ばかりを
大きく取り上げ、「揺さぶり」をかけることに
異論を唱える方々がでてきます。

こういう方々は、何もせずに滞った状態から
抜け出すことが怖いのでしょうか?
それとも、何もせずにこのまま正常な状態に
戻っていくと信じているのでしょうか?

「もっと別のやり方で」と主張しても、
そのやり方が何に対しても影響しない、
「揺さぶれない」方法であれば、何の効果も
期待できないと思います。

「揺さぶり」が正しいかどうかは、
それによって「影響される人々」が判断する
ことです。

大きな力の庇護の元で、
自分で責任を負う必要のない小さな人間が、
人のやることにケチをつけ、
世の中の気分を落ち込ませる
発言ばかりするのは、
私には愚かな行為のように見えるのです。

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2012年11月23日 (金)

20121123 施術着と患者着

院長と副院長(私)が、どんなに寒い日でも
半袖の施術着を着ているのは、理由があります。
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当院では、鍼灸治療を受けられる患者さんには
できるだけ「患者着」に着替えをお願いしています。

その主な理由は、次の3つです。
1)お仕事帰りの方が多いため、スーツや
  仕事着がしわになるのを防ぐため。

2)患者さんの服に、血液が付いたり
  お灸で焦がしたり、伸ばしてしまったり
  するのを防ぐため。

3)衛生的であるため。

この「患者着」は、鍼灸用に背中が開くように
なっていて、伸縮性のない薄い生地でできています。
そして半袖、半パンです。

つまり、これからの季節、かなり施術室を暖かく
していないと、治療を受けられる患者さんは
相当「寒く」感じることになります。

そのため、当院では、外から入ると暑すぎる
のではないかと感じるほど室温を上げていますし、
体感温度が上がるように湿度も高めに設定しています。

でも、ここまでしても、自分たちが着用する
「施術着」が長袖では、実際に感じる室温がわからず、
もしかすると患者さんに寒い思いをさせて
しまうかもしれません。

そこで、当院では、どんなに寒い日であろうと
院長・副院長(私)は揃って「半袖の施術着」を
着用しています。

その理由は、半袖の施術着を着用していると、
患者さんの体感温度を把握しやすいからです。

そしてそれ以外にも、次のようなメリットがあります。

1)施術前に入年に手指洗浄を行いますが、
  半袖だと手首より上までしっかりを洗浄でき
  より衛生的な施術ができる。

2)施術の際、備品トレー上にある治療道具に
  袖を引っ掛けることなく、安全である。

治療院の紹介ホームページに、自身の治療風景写真を
載せている方が多いのですけど、この写真で
半袖の施術着の下に、長袖の服を着ている方を見かけます。
私は、この半袖の下に長袖を着る「着方」が
どうも嫌いでして。
だったら長袖の施術着を着ればいいし、
なんと言っても「格好悪い」。

そして、もうひとつの理由が、
自分だけ暖かい格好をして、肌を露出している患者
さんが寒い思いをしていることが把握できていない。
つまり、
「患者さんの気持ちを考えていないように見える」
からなのです。

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